『寝室に欲しい設備は?』という質問に対して、今やトップになるのは床暖房です。また、『家を建てる、買うなら欲しい設備は?』という質問でも、床暖房は人気の設備に挙がっています。分譲住宅はもちろん賃貸住宅でも床暖房を設置したプランを見かけるようになって、床暖房は憧れの設備ではなく、現実的に、欲しい設備のひとつになってきたようです。 また、昨今の健康ブームや価格がおさえられた商品も多くなってきたこともあって、床暖房を検討する人も増えてきているようです。

ここでは、そんな床暖房の基礎知識をまとめてみました。商品選びの前にチェックしておいてください。


床暖房は輻射暖房のひとつ

床暖房とは、床面を加熱してその床表面から放射される輻射熱(ふくしゃねつ)によって暖房するものです。部分的な暖房機器だけではなく、部屋全体を暖める主暖房として使用することができます。

この輻射熱は人体にあたっても暖かく感じさせますが、同時に部屋の中の壁や天井、家具などにも吸収され、それらが再び放射され、室内の空気を暖めます。普通、天井の高い部屋を暖房した場合、暖かい空気は天井近くに溜まり、床に近い部分は暖かくなりません。しかし、輻射熱を利用する床暖房の場合、床面付近の快適さはもちろん、部屋全体がほとんど一定になり、均一な暖かさを保つことができるのです。ホットカーペットと誤解する人も時々いらっしゃるようですが、全く違うものです。

また、空気が乾燥したりほこりが舞うこともありませんし、石油やガスストーブのように室内で燃焼が行われるわけではないので、空気が汚れる心配もありません。このように清潔な室内環境を保つことができるという点が、健康志向のユーザーが魅力に感じるひとつの要因なのでしょう。

床暖房の市場規模

種類別床暖房の市場規模推移

住宅用床暖房の総市場における温水床暖房と電気床暖房の構成比率は2001年度では温水83%、電気30%となり、電気式が徐々にシェアを拡大しています。オール電化の普及に伴って、電気床暖房はますますそのシェアを拡大している状況です。

また、注文住宅を建てた方のデータによると、床暖房を設置した人は27.7%という結果。電気式を採用した人のうち、深夜電力を利用した蓄熱型が38.6%。また、温水式を採用した人の熱源は、ガスが57.8%、電気が23.7%、灯油が16.3%となっています。